Japanese Society for Oral and Maxillofacial Radiology

理事長ご挨拶

理事長挨拶

NPO法人日本歯科放射線学会理事長 浅海淳一

日本歯科放射線学会員の皆様、いつもお世話になっております。2020年6月29日に開催された第17回日本歯科放射線学会定例総会において理事長に再任され、2020年度・2021年度の日本歯科放射線学会度理事長を継続することになりました。2年間どうぞよろしくお願い致します。
就任に当たり、今後の学会運営に関して、皆様にご挨拶申し上げます。
歯科医療において、治療を行う前にまず診断を行うことは必須です。その際、臨床所見に加えて各種検査を行うことによって臨床診断を得ることになります。口腔領域では、硬組織が多いことから、直視することが出来ない部分に病変が存在することが多く、臨床検査の中で、画像診断の果たす役割は大きいと考えます。歯科特有の機器に加え、各種の先進的な機器を使用し診断を行うことになりますが、その機器の発展は目覚ましいものがあります。さらに、頭頸部においては、歯原性の病変をはじめとして他臓器と比較して特有の動態を示すことが多く、診断には苦慮することも多々あり、画像診断においては、画像機器のみならず、病態等の幅広い知識を必要とします。また、診断学に加えて、放射線治療も重要なフィールドとなっています。これらのことから、診断機器や放射線治療に関する情報を社会に広め、被曝的見地も加えて、有効活用を普及することによって、社会要請に応えることが日本歯科放射線学会の務めと考えます。2018年4月に日本歯科専門医機構が発足し、2020年4月から運用されています。日本歯科放射線学会はすでに医療に関する広告可能となった医師等の専門性に関する資格名を取得しております。また日本歯科専門医機構からも近く認証される予定です。このことからも歯科放射線学会がより社会からのニーズに応える必要性があることは明白です。例えば日本国内で歯科用CBCTが2万台設置されていますが、よく理解されずに使用されている現状があります。こういったことの指導も専門医としての役目と考えています。社会から歯科放射線学の重要性を十分認識していただき、歯科診療において、重要な部門である歯科放射線学の存在を国内のみならずアジア諸国さらには世界に向けて発信して行きたいと考えています。

学会運営に関して
平成28年度から4年間、NPO法人日本歯科放射線学会の理事長を務めさせていただきました。その際に当初から次のような基本運営方針で行ってまいりました。

1)画像診断の重要性の発信
2)独善的にならない学会運営
3)経済的に安定した学会運営
4)電子媒体を中心とした学会誌の安定的な発行
5)アジア学会の重視
6)学術発表を重視した学術集会

この4年間の学会の運営に関しては、理事長に加え、総務担当、教育・学術担当、財務担当の執行部4人体制で協議し、さらに事務局と情報を共有し、運営がスムーズに進むように行ってまいりました。4人体制にすることによって、独善的にならず、判断が偏らないようにする狙いがありました。実際、この4年間、役割を分担し、共有しながら、一人に負担がかからないように運営できたと思います。この間、就任後1年の行われた監査において、財務に関して、これまでの運営計画では大きな赤字が発生することが判明しました。財政に関して執行部と監事で協議し、改善計画を練り、対処してまいりました。その後少し財政に関しては落ち着いてまいりましたが、専門医機構等に対する新たな出費が増えたこともありさらなる財政に関する対処をしてゆかなければなりません。皆様のご発案とご協力をお願いしたいと思います。今後も運営を定期的に検証し、不都合が生じた際には改善を図り、柔軟な対応をしてまいりたいと思います。

学術集会等の学術的会合の開催に関して
歯科放射線学会では、これまで学術大会と画像臨床診断大会の2つの総会を中心に、地方会、教育委員会による卒前・臨床研修、生涯学習研修、実技研修、教育委員会認定講習、ステップアップ講習等多くの優れた活動を豊富な資料と講演を提供し、画像診断および放射線治療・防護等の重要性の発信に努めています。この4年間の経験の中で、われわれの学会の優れたところを再認識するとともに、改善点も感じています。画像臨床大会は、2020年から秋季学術大会とリニューアルし、より現状に即した形になるように進めています。地方会に関しては、若い会員の発表の場あるいは会員交流の場として必要な場合には、意義あるものと考えます。研修会等に関しては、会員や社会のニーズ、専門医機構の必要項目に対応した形で進めてまいりたいと思います。皆様のご意見をいただきながら今後の方向性を進めて行きたいと思います。

学会誌および図書等の発刊に関して
浅海が、Oral Radiologyの4代目編集委員長に2016年1月に就任して4年余りが経過しました。Medline申請に関しては4度目のトライで2018年11月に念願の採用を得ることができました。皆様のご協力に感謝申し上げます。Medline採択後は投稿数も増加し、2019年には約380の投稿がありました。採択率は18%程度と厳しく、年間70編程度が採択されています。2020年からは年間4号は発行する予定です。投稿数がこのまま増加し450編程度まで増加し、採択論文が72編を超えた際には年間6号まで発行数を増やしたいと考えています。ご協力をお願いします。
和文誌も吉浦一紀委員長のご尽力で内容は充実しておりますが、状況を見ながらその発行に関して考慮する必要性もあります。専門分科会や専門医機構の会員資格において発行している年間原著論文は大きな要素です。今後も両誌の発展にご協力を頂けましたらと思います。

歯科放射線に関する調査報告に関して
種々の歯科放射線に関する調査研究が進められております。普及が顕著な歯科用CBCTに関しては、早急なガイドライン策定が望まれておりましたが、そのガイドラインが策定され、”A Committee on Clinical Practice Guidelines, Japanese Society for Oral and Maxillofacial Radiology. Clinical guidelines for dental cone-beam computed tomography.”としてOral Radiology第34巻2号 https://doi.org/10.1007/s11282-018-0314-3に掲載されました。
また、医療情報委員会においては、「歯科医学会連合」から(H29医療問題関連事業依頼課題-2)として「デジタル画像および新技術を搭載したパノラマ撮影装置に関する課題研究」を受託し、防護委員会においては、水晶体の線量測定について放射線防護連絡協議会からの依頼により進めております。さらに歯科放射線学会研修会プロトコルに基づき“CBCTのDRL確立を目指す”と言うアプローチが計画されています。今後も活発な調査研究を進めて行き、歯科放射線の存在を発信してまいりたいと思います。

歯科放射線に関する教育および啓発活動に関して
卒前・臨床研修、生涯学習研修、実技研修、教育委員会認定講習、ステップアップ講習等の講習会に関しては、充実した内容を提供してきていると思います。しかしながら、受講者数が減少してきており、今後は、ターゲットをさらに一般開業医や他学会の構成員に広げ、内容や開催場所もそのニーズに合わせて考えて行く必要があると考えます。ニーズに応じた対応を進めて行くことによって、歯科放射線に関する教育および啓発活動を進めるとともに、さらなる会員増強と安定した収入を得ることが出来るように考えて行きたいと思います。

歯科関係学術団体との連携に関して
歯科関係学術団体とは、特に口腔外科や口腔病理関係とは口腔3学会連携協議会を通じて、良好な関係を保持しています。また、他の関連学会に関しても、各担当理事にご尽力いただき、良好に進めていただけていると思います。今後もその関係を保つことはもちろんの事、さらなる発展的関係を築いていきたいと思います。
2013年に設立されたAsia Association of Oral and Maxillofacial Radiology (AAOMFR)は順調に推移し、24の国・地区から915 名の会員となっています。今後の発展が期待されます。

現在、日本歯科放射線学会は、比較的安定した運営を行うことが出来ていると思います。しかしながら、今後対処して行く必要がある項目も多数あります。適正に対処してまいりたいと考えておりますので、今後とも皆様のご理解とご協力をお願いします。

理事長紹介

岡山大学医歯薬学総合研究科歯科放射線学分野教授
浅海 淳一

1984; D.D.S., Hiroshima University Dental School
1995; PhD (D.M.Sc.), Okayama University Medical School
2001; Lecturer (Senior Assistant Professor), Okayama University
2008; Professor, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
2016; Dean, Okayama University Dental School
2016; President, Japanese Association of Oral and Maxillofacial Radiology

Editor-in Chief of Oral Radiology
Editor-in Chief of Open Journal of Stomatology
Regional Editor of The Open Dentistry Journal

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